皆様、あけましておめでとうございます。
2024年の新春を迎え、心からお慶びを申し上げます。コロナ禍が一段落し、久しぶりに平常が戻ってきたお正月となりました。皆様一人ひとりが清々しい気持ちで新年を迎えられたことと思います。
一昨年6月に全国鐵構工業協会の会長を拝命し2年目も半ばとなり、詰めの時期に入ってまいりました。本年も引き続き協会および構成員の皆様の発展のために全力を尽くす覚悟でおりますので、皆様におかれましても、ご協力を賜りますようお願い申し上げます。
さて、昨年を振り返ってみますと、世界情勢では、東欧・中東等、各地での紛争は収まらず、また、東アジアにおいても混迷の度合いはますます深まってきました。国内経済面では、長引く円安傾向に伴う諸物価高騰、働き方改革への対応、2024年問題、SDGs等、社会構造がめまぐるしく変化し、不確実性が増してきた年であったと思います。
このような難しい状況は、この先もしばらく続くと考えられますが、事業活動にあたっては常に的確な対応を目指し、積極的に構成員の皆様とのコミュニケーションの深化に努めてまいります。
鉄骨業界では、2021年度の推計鉄骨需要量は465万トン、2022年度が431万トンであり、2023年度も400万トン程度になると考えており、引き続き先行きの不透明感は払拭できず中小規模の物件については不安定な状況が継続すると見込まれる一方、大型物件は着工遅れによる影響を受けつつも堅調に発注されると見通しており、鉄骨需要全体としては総じて横ばい傾向が続くものと見ております。
新たな視点で2024年以降に目を向けると、耐震性向上のための建て替え需要、大阪万博、物流中継基地の新築需要等、底堅さも見えてきます。また、経済安全保障政策に関連する各地での工場建設も視界に入ってきます。
この様な状況下において、我々は決して焦る必要はありません。働き方改革下での我々の業界の現行の生産規模は400万トン程度であると考えており、今後は生産性の向上により収益性を改善し、従業員の賃金上昇に、より一層取り組みたいと考えております。それが多様な人材の確保にもつながっていき、更なる生産性の向上に結びついていくのです。
2024年は、このような好循環を生み出し、我々が社会から選ばれる業界へと発展を遂げていくためのスタートの年にしたいと思います。
昨年、協会は発足後50周年を迎えました。既に次の50年が始まっています。
基盤強化を図りつつ国内外の情勢を先読みし、将来に向かって持続的に成長を遂げることができるよう、我々一同、一丸となって歩んでまいりましょう。
社会から選ばれ、一層の信頼を獲得するために、協会は本年を『社会の変化を見極めて迅速的確に行動する年』と位置付け、以下4点、
1.品質管理体制の維持強化
2.人材確保・人材育成
3.構造変化への対応
4.業界の将来像を見据えた取り組み
を基軸として事業を進めてまいります。