女性社員の雇用に関してはこれまで積極的に展開してきたわけではなく、基準にのっとって公平に採用した結果だという。ただ、取材した女性社員から異口同音に「入社後、個人の生活様式に合わせた柔軟な勤務体制を容易に認めてくれる」と高評価されている。 設計部の谷畑恵主任は「子育て中は通常勤務(8~17時15分)を9~16時15分に変更して勤務できた。周りのフォローも充実しており、とても助かった」という。CADを用いた作図業務を担当するドアン ティ トウイ ズンさんは「同郷の人たちがいるので、仕事のみならず生活面などいろいろなコミュニケーションが取れることが安心できる」と職場環境の良さを挙げる。 育休制度も充実しており、今年度新卒入社の製造部の齋藤千尋さんは「建設業に魅力を感じて入社した。先輩社員の丁寧なアドバイスにより、業務をスムーズにこなすことができる。いろいろな面で相談もしやすい。結婚しても勤めていきたい」と話す。
経営企画室の市村和己取締役は「勤務体制を週休2日と、第2・4土曜日休日の2種類から選択できる。さらに、男女問わずに個別に社員の生活様式に合わせた勤務の希望も聞く体制が整っており、多様な勤務体系を容認している。中には介護のために週3日勤務体制を実施している社員もいる」と強調する。
柔軟な勤務体制が社員から高評価
同社では女性が活躍できる雇用環境の整備を図る『行動計画』を策定。それに基づき、今年1月から活動開始した女性活躍推進委員会「hümoa(うもあ)」は、女性が活躍できる上に働きやすい職場を実現するために自ら考えて活動するもので、24年4月までに女性管理職の誕生を目指している。21人の女性社員全員が参加し、社会保険労務士のアドバイスを受けながら勉強会などを実施。自社の状況、これからどうすべきかをグループワークなどで意見交換し、5月から参加者が持ち回りでテーマを決めて研修を実施している。
リーダーの購買部積算課・今井由香里さんは「女性社員同士なかなか会うことないことから、親交を深めるため現在は対面方式で会合を実施している。慣れてくればリモート方式に変更する。今後、働きやすい職場環境づくりを形成する活動を進めるとともに、個々のスキルアップを図りたい」と意気込みを語る。
社員のワークライフバランスを重視した柔軟な勤務体制を採用すること、自ら働きやすい職場環境を形成する活動を全面サポートすることが、女性が活躍できる会社の証といえよう。