女性社員が増加してきたことからライフスタイルに合わせて▽フレックスタイム制▽子育て期間中の在宅勤務▽介護・育児のための短時間(1時間単位)と半日単位の有給休暇ーーなどを導入し、就業環境を整備してきた結果、さらに女性の応募が増えていく流れとなった。中途採用した女性社員の応募理由として、処遇はもちろんのこと、多くが子育て支援の充実や女性社員の割合が多いことを挙げており、就業環境の整備が功を奏したことを裏付けている。
本社工場に勤務する女性社員のみなさん
同社では10年前から本格的に新卒者の募集を開始。今では10代・20代が社員の半数近くを占めるようになったが、そのうち約40%が女性である。今年度は4人入社し、このうち1人が女性。このほど開催された22年度の高校新卒者向け就職説明会では、サトウ産業のブースを訪れる学生の多くを女性が占めた。また、夏休み中に行われた会社見学に訪れたのは22人中、女性が18人となっている(8月19日現在)。
さらに、入社1~2年の間にその適性を見極め、その人の能力が一番発揮できる業務に就かせる、適材適所の配属を実施している。
取締役業務管理部長の池田亜由美さん(2012年入社)は当初事務職希望で入社、総務業務を担当としていたが、約2年後に工場の生産管理から発注業務や客先対応まで生産業務の一切を担う業務管理部に転属。最初は戸惑いもあったが、業務に慣れてくると「とてもやりがいを感じながら取り組んでいる」と語る。現在は業務管理部、設計・積算部、建築部を管掌する取締役として活躍している。まさにサトウ産業の要である。
業務管理部の村上麻矢さん(2014年入社)は入社当初は経理事務を担当していたが、産休後には業務管理部に配属、現在はCADを用いた図面の修正作業などを担当。「とてもやりがいある仕事と感じている」と話す。現在は子育て中であり、子どもの発熱や行事などに対応するためフレックスタイム制や短時間有給休暇取得制度が非常に助かっているという。
在宅勤務は現在、2人に適用している。いずれも設計・積算部の設計作業に従事しており、PCやソフトなどは全て会社が貸与、出社は業務の打ち合わせのための週1回のみ。
今年度入社の神田愛莉さんは、会社見学で女性社員や若い社員が多く、社内の雰囲気が良いことから入社を決意したという。当初は事務職を希望していたが、設計・積算部に配属。施工図の修正作業などを行っており、先輩社員の指導も分かりやすく、楽しく業務に取り組んでいる。
同社は工場が4カ所に分散しているため、社員の交流を深める社内行事をほぼ毎月実施している。社員にとって働きやすい環境を提供していることから、過去10年間、新卒者の定着率は85%。ワークライフバランスの取れた『居心地が良い会社』の証といえよう。2022年3月の採用予定は9人(業務管理部、設計・積算部、品質管理部、生産管理部での採用を予定)。来年もまた、多くのフレッシュな女性社員の入社が見込まれている。