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シリーズ「女性活躍」
~女性が活躍する構成員会社の紹介~
シリーズ「女性活躍」
~女性が活躍する
構成員会社の紹介~

事例に学ぶ⑥オカモト鐵工(福井)
2021年11月1日号10面、11面

事例に学ぶ⑥
オカモト鐵工
(福井)
2021年11月1日号10面、11面

長期キャリアの女性が活躍
働きやすい職場づくりに

 結婚、出産後も働き続けたいと考える女性がファブ業界で技能者の資格を取得するなど、手に職をつける例は昔からあった。ただ、女性の家庭と仕事の両立を会社が支えるのは容易なことではない。

 福井県のHグレードファブ、オカモト鐵工(福井市上森田1ー102ー2、草壁正明社長)では、女性の長期就労を会社が支えることで、一級土木施工管理技士の資格を持つ竹川多美・鉄構橋梁営業グループリーダーら専門技能を身に付けた長期キャリアの女性が活躍。近年では若手の女性社員の数も増えている。

長期キャリアの女性が活躍
働きやすい職場づくりに

 結婚、出産後も働き続けたいと考える女性がファブ業界で技能者の資格を取得するなど、手に職をつける例は昔からあった。ただ、女性の家庭と仕事の両立を会社が支えるのは容易なことではない。

 福井県のHグレードファブ、オカモト鐵工(福井市上森田1ー102ー2、草壁正明社長)では、女性の長期就労を会社が支えることで、一級土木施工管理技士の資格を持つ竹川多美・鉄構橋梁営業グループリーダーら専門技能を身に付けた長期キャリアの女性が活躍。近年では若手の女性社員の数も増えている。

 全87人の社員のうち、女性社員は13人。総務に加え、工務から品質管理まで幅広い部門で活躍している。  

 昨年10月から鉄構橋梁営業部に異動し、公共事業の入札に関わる積算・見積もり業務などを担当する竹川多美・グループリーダーは1990年の入社。前の部署では橋梁の製作管理担当として現場、工場で進ちょくや要望を聞き取り、スケジュール調整などを行ってきた。 
 結婚後、出産にあたり会社へ「産後も働き続けたい」と希望。会社と周囲の理解・サポートを得て育児休暇を取得し、職場に復帰した。その後、実務経験を重ね、合格率が50%台という難関の試験をクリアし、一級土木施工管理技士の資格を取得。業務への意欲的な姿勢に周囲の評価も高い。 
 「育児休暇といった制度面の支援に加え、周囲の応援が本当にありがたかった。子どもの発熱などで急に休みを取らざるを得ない時、周りの社員や上司が『すぐ行ってやれ』と快く送り出してくれたことで、ここまで働き続けることができたと思う。現在の部署も新しいことへの挑戦の連続だが、これまで支えてくれた周囲と会社に報いていけるよう頑張りたい」と語る。
鉄構橋梁営業部の<br>竹川多美<br>グループリーダー

鉄構橋梁営業部の
竹川多美
グループリーダー

―「家族を大切にする」働き方を会社が推奨

 岡本征雄前社長の時代から「仕事に打ち込み、休みをしっかり取ってリフレッシュする」ことを推奨する社風があり、現在は週休2日制を導入。祝日がある週を除いて原則的に土曜、日曜を休日としている。また、社員のワークライフバランスを重視するとともに「社員の家族も会社の一員として大切に」との方針を掲げており、今年4月から小学校、中学校、高校の各1年生に進級した子どもを持つ社員にお祝い金を支給する「入学お祝い金制度」を開始している。
 このように育児休暇など制度面の整備のほか、休暇や社員の働き方に対する会社の考え方、社員の家族を大切にする方針などが、女性社員が家庭を持ちながら仕事を続けることを支え、キャリアの長期化に大きく影響したのではないかと思われる。

ー優良社員を表彰
女性ペアで業務を調整

 このほか、社員のモチベーション向上を目的として優良社員を称える報奨制度を設けており、3カ月に1度の安全祈願祭で発表、表彰している。表彰対象は外国人技能実習生も含めた全社員。各部署から所属長が部下を推薦し、その推薦内容を役員が審査して表彰者を決定する。
 今年4月には工務グループ所属で図面担当の齊藤由理子さんが優良社員に選ばれた。一般図のチェックや修正を1人で手掛け、後輩の育成や他部署の能率アップにつながる提案を行ったことなどが評価された。「以前、同期の女性が表彰されたのを見て刺激を受けていた。先輩に教わった内容をメモして復習するなど、1人で仕事ができるよう頑張ってきたことを評価してもらえて、とてもうれしい。これからも頑張りたい」と抱負を語る。

優良社員表彰を受けた<br>工務グループ図面担当の<br>齊藤由理子さん

優良社員表彰を受けた
工務グループ図面担当の
齊藤由理子さん

 全87人の社員のうち、女性社員は13人。総務に加え、工務から品質管理まで幅広い部門で活躍している。  

 昨年10月から鉄構橋梁営業部に異動し、公共事業の入札に関わる積算・見積もり業務などを担当する竹川多美・グループリーダーは1990年の入社。前の部署では橋梁の製作管理担当として現場、工場で進ちょくや要望を聞き取り、スケジュール調整などを行ってきた。 
 結婚後、出産にあたり会社へ「産後も働き続けたい」と希望。会社と周囲の理解・サポートを得て育児休暇を取得し、職場に復帰した。その後、実務経験を重ね、合格率が50%台という難関の試験をクリアし、一級土木施工管理技士の資格を取得。業務への意欲的な姿勢に周囲の評価も高い。 
 「育児休暇といった制度面の支援に加え、周囲の応援が本当にありがたかった。子どもの発熱などで急に休みを取らざるを得ない時、周りの社員や上司が『すぐ行ってやれ』と快く送り出してくれたことで、ここまで働き続けることができたと思う。現在の部署も新しいことへの挑戦の連続だが、これまで支えてくれた周囲と会社に報いていけるよう頑張りたい」と語る。
鉄構橋梁営業部の<br>竹川多美<br>グループリーダー

鉄構橋梁営業部の
竹川多美
グループリーダー

―「家族を大切にする」働き方を会社が推奨

 岡本征雄前社長の時代から「仕事に打ち込み、休みをしっかり取ってリフレッシュする」ことを推奨する社風があり、現在は週休2日制を導入。祝日がある週を除いて原則的に土曜、日曜を休日としている。また、社員のワークライフバランスを重視するとともに「社員の家族も会社の一員として大切に」との方針を掲げており、今年4月から小学校、中学校、高校の各1年生に進級した子どもを持つ社員にお祝い金を支給する「入学お祝い金制度」を開始している。
 このように育児休暇など制度面の整備のほか、休暇や社員の働き方に対する会社の考え方、社員の家族を大切にする方針などが、女性社員が家庭を持ちながら仕事を続けることを支え、キャリアの長期化に大きく影響したのではないかと思われる。

ー優良社員を表彰
女性ペアで業務を調整

 このほか、社員のモチベーション向上を目的として優良社員を称える報奨制度を設けており、3カ月に1度の安全祈願祭で発表、表彰している。表彰対象は外国人技能実習生も含めた全社員。各部署から所属長が部下を推薦し、その推薦内容を役員が審査して表彰者を決定する。
 今年4月には工務グループ所属で図面担当の齊藤由理子さんが優良社員に選ばれた。一般図のチェックや修正を1人で手掛け、後輩の育成や他部署の能率アップにつながる提案を行ったことなどが評価された。「以前、同期の女性が表彰されたのを見て刺激を受けていた。先輩に教わった内容をメモして復習するなど、1人で仕事ができるよう頑張ってきたことを評価してもらえて、とてもうれしい。これからも頑張りたい」と抱負を語る。

優良社員表彰を受けた<br>工務グループ図面担当の<br>齊藤由理子さん

優良社員表彰を受けた
工務グループ図面担当の
齊藤由理子さん

積算見積もりを担当する<br>太田元美さん(右)と<br>江守梢さん(左)

積算見積もりを担当する
太田元美さん(右)と
江守梢さん(左)

 このほか、女性が長く働き続けられるような工夫として、同社ではベテランのワーキングマザーと若手の女性社員をペアで配置し、協力して業務に当たることができるようにしている。

  この仕組みにより、若手女性社員の業務指導やフォローをベテラン社員が手掛け、一方でベテラン社員が子育てで早く退社しなくてはならない時に、若手の女性社員がカバーに入るといったことが可能になり、個々の社員が働きやすい環境づくりにつながっている。
  子育て世帯では子どもの成長に従って休暇を取得する頻度や生活サイクルが変化していくため、ワーキングマザーにとって部署内で休暇時の業務面をカバーしてくれる女性社員の存在は大きい。一方、若手の女性社員にとっては家庭と仕事を両立する先輩社員の働き方を間近に見ることで、自分のキャリアや今後のライフプランを考えるきっかけにもなる。さらに、ペアで業務を行う中で若手とベテランの双方の視点から業務の改善点を話し合い、新たな提案が生まれるといった効果も出てきている。

 このほか、女性が長く働き続けられるような工夫として、同社ではベテランのワーキングマザーと若手の女性社員をペアで配置し、協力して業務に当たることができるようにしている。

  この仕組みにより、若手女性社員の業務指導やフォローをベテラン社員が手掛け、一方でベテラン社員が子育てで早く退社しなくてはならない時に、若手の女性社員がカバーに入るといったことが可能になり、個々の社員が働きやすい環境づくりにつながっている。
  子育て世帯では子どもの成長に従って休暇を取得する頻度や生活サイクルが変化していくため、ワーキングマザーにとって部署内で休暇時の業務面をカバーしてくれる女性社員の存在は大きい。一方、若手の女性社員にとっては家庭と仕事を両立する先輩社員の働き方を間近に見ることで、自分のキャリアや今後のライフプランを考えるきっかけにもなる。さらに、ペアで業務を行う中で若手とベテランの双方の視点から業務の改善点を話し合い、新たな提案が生まれるといった効果も出てきている。
積算見積もりを担当する<br>太田元美さん(右)と<br>江守梢さん(左)

積算見積もりを担当する
太田元美さん(右)と
江守梢さん(左)

 

 品質管理部門を担当する大谷奈々さんは、指摘事項のある製品を撮影して画像を印刷し、工場の作業者へ持参する作業のロスタイムを改善するため、ペアの古市寿恵さんと相談してタブレットの導入を提案し、採用された。

  「撮影した画像をすぐ作業者に確認してもらうことができるため、ロスタイムが大きく減り、工場とのコミュニケーションもよりスムーズになった。提案を採用してもらえたことがうれしい」と語る。

 

品質管理を担当する<br>古市寿恵さん(右)と<br>大谷奈々さん(左)

品質管理を担当する
古市寿恵さん(右)と
大谷奈々さん(左)

 品質管理部門を担当する大谷奈々さんは、指摘事項のある製品を撮影して画像を印刷し、工場の作業者へ持参する作業のロスタイムを改善するため、ペアの古市寿恵さんと相談してタブレットの導入を提案し、採用された。

「撮影した画像をすぐ作業者に確認してもらうことができるため、ロスタイムが大きく減り、工場とのコミュニケーションもよりスムーズになった。提案を採用してもらえたことがうれしい」と語る。

品質管理を担当する<br>古市寿恵さん(右)と<br>大谷奈々さん(左)

品質管理を担当する
古市寿恵さん(右)と
大谷奈々さん(左)

 出荷・配送手配を担当する<br>石川瑠花さん(右)と<br>小藤美智子さん(左)

出荷・配送手配を担当する
石川瑠花さん(右)と
小藤美智子さん(左)

 

 草壁社長は「男女関係なく奮闘した社員を会社として称える制度の運用や、女性同士で協力し合える人員配置で、さまざまな人材が生き生きと活躍できる会社にしていきたい。今後も社員が働きやすい環境づくりを進めていく」としている。

 

 出荷・配送手配を担当する<br>石川瑠花さん(右)と<br>小藤美智子さん(左)

出荷・配送手配を担当する
石川瑠花さん(右)と
小藤美智子さん(左)

 草壁社長は「男女関係なく奮闘した社員を会社として称える制度の運用や、女性同士で協力し合える人員配置で、さまざまな人材が生き生きと活躍できる会社にしていきたい。今後も社員が働きやすい環境づくりを進めていく」としている。