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シリーズ「女性活躍」
~女性が活躍する構成員会社の紹介~
シリーズ「女性活躍」
~女性が活躍する
構成員会社の紹介~

事例に学ぶ➈日伸鉄工建設(東京)
2022年2月14日号13面

事例に学ぶ➈
日伸鉄工建設(東京)
2022年2月14日号13面

今後も女性社員の積極的な雇用を推進
『ジョブローテーション』を採用

 育児など家庭と仕事の両立に配慮した労働環境を整備、女性の結婚や出産後も安心して働くことができるよう、しかも地域貢献や技能者の資格取得などの積極的な取り組みで仕事の・やり甲斐・の創出を目指しているのが東京都のMグレードファブ、日伸鉄工建設(東京都葛飾区西新小岩4ー8ー5、金本貴範社長)だ。
女性の長期就労を会社が支えることで、課題である人材不足を補うことに重点を置いている。専門技能を身に付けた中堅の女性社員も活躍、若手社員も意欲的に業務に取り組んでおり、将来が楽しみな企業だ。

今後も女性社員の積極的な雇用を推進
『ジョブローテーション』を採用

 育児など家庭と仕事の両立に配慮した労働環境を整備、女性の結婚や出産後も安心して働くことができるよう、しかも地域貢献や技能者の資格取得などの積極的な取り組みで仕事の・やり甲斐・の創出を目指しているのが東京都のMグレードファブ、日伸鉄工建設(東京都葛飾区西新小岩4ー8ー5、金本貴範社長)だ。
女性の長期就労を会社が支えることで、課題である人材不足を補うことに重点を置いている。専門技能を身に付けた中堅の女性社員も活躍、若手社員も意欲的に業務に取り組んでおり、将来が楽しみな企業だ。

 東京都23区内に工場を置く数少ないMグレードファブとして知られる同社が女性活用に本格的に乗り出したのは4年前から。それまでは社内の女性は総務2人、経理1人の3人体制で、いわゆる町工場の典型的な陣容だった。4年前のパート従業員の採用をきっかけに女性社員は徐々に増えて現在、同社全27人の社員のうち、女性社員は10人(パート3人含む)を占めるまでに至っている。
 雇用に関して「製造・建設業という職種だけに男女を区別して募集をかけていたが、その線引きの概念を途中からなくした。結果的に女性社員が増えたかたちになっているが、この路線は変えるつもりはない。一般事務に加え、工務から品質管理まで幅広く、そこで女性が活躍できる業務は多いと考えている。今後も女性社員の積極的な雇用を推進していく」と経緯と方針を説明するのは同社総務部の金本正江主任。
 女性社員の業務内訳は工事部4人、総務部は6人となっている。
 工事部の中でも小林桂子さんは入社当初、ミルシートや検査・管理書類の整理などがメーンだったが、今では「CADの作図業務や図面を片手に工場内で製品の寸法精度の確認作業を担当している」と中堅社員として力強い存在に育ってきている。鉄骨製作管理技術者1級の資格も取得、「これからも関連資格の取得を目指して頑張っていきたい」と意欲的だ。同社入社前はインテリアコーディネーターとして勤務、「もともと建築には興味があり、今の仕事に違和感は全くない。新しい知識を学ぶことや体験を積み重ねることが好きで、毎日を楽しく仕事をさせてもらっている。先輩から・一人前・になったなと言われるように頑張りたい」という。
 また、同じ工事部の石井宏子さんは、まだ入社2カ月と経験は浅いものの、元より製造・建設分野に就労したいと半年間、職業訓練を学べる高度ポリテクセンターに通い、玉掛けやフォークリフト、高所作業などの技能資格を取得した努力家。「まだまだ経験もないだけに、仕事の一つひとつを学び、しっかりと身に付けていけるように努力することが大切だと思っている。図面作成や製品検査などもやってみたい。一日も早く皆様に役立てるように頑張っていきたい」と前向きな姿勢をみせる。

10人の女性社員が生き生きと働く(前列中央が金本社長)

 また、総務部の小久保麻理奈さんは「週休二日、残業なしという会社の勤務体制は子どもを持つ女性にとって働きやすい環境だと思う。育児に対して何より安心感をもって仕事ができるメリットは大きい。自分の考えや悩みも相談でき、上司も真剣に聞いてくれるという社風が好き。家族のように意見に耳を傾け、実際に対応もしていただけることに感謝している」という。
 一方、同社では『ジョブローテーション』のシステムを採用している。ジョブローテーションとは定期的な社員の部署異動・職務の変更を通じ、社員にさまざまな業務を経験させながら能力開発を行う制度。
 金本主任は「若い社員が多く、社員配置もそれをサポートできるように配慮している。例えば結婚や出産などの家庭事情で社員が欠員となっても、別の社員がそれをフォローできる能力と体制を整備している体制としている。また、立場を変えて業務を体験することで、社員の相互理解や交流につながるメリットがある。ましてや、われわれクラスの中小企業では1人の社員が他の仕事もできる多能工を目指していかなければ生き残れない。そうした狙いもある。今後も社員が働きやすい職場環境づくりを進めていく」としている。
 同社が最も力を入れているのが、『地域貢献』。周辺への騒音対策で工場内の防音設備を備えたのをきっかけに、葛飾区との災害時協力協定締結、子ども食堂への寄付や手伝い、工場周辺のゴミ拾いなどの活動を推進している。
 同社の社員の7割が葛飾区在住というのも同社の大きな特徴だ。  金本社長は「今後も地域に根差し、地域の発展と交流とともに会社を発展させていきたい。そして、さまざまな人材が生き生きと活躍できる会社にしたい」と強調する。