ー女性社員の増加に伴う女性のキャリア長期化のための課題については。
稲垣 現在、女性社員は全社員数の3分の1となり、業務への忠実性、積極性、事前準備の徹底など、その働きぶりを社内全体で感じる機会が増えた。現在、入社している若手社員には、男女問わず、長期にわたって働いてほしいと感じている。そのためには業務を互いにフォローし合えるようにして、体調不良やライフイベントなどによる有給休暇の取得がしやすい体制を作ることがまず大事だろう。いずれにしても、女性だけではなく、どの社員にとっても働きやすく、「今後もずっと働き続けたい」と感じてもらえる社内体制づくりを進めていきたい。
下村渚さん(右)と豊田あゆみさん(左)の作業のようす
2018年4月に入社した下村渚さん=写真右=は商業高校でCADに興味を持ち、同社の求人を見つけたことで見学。「会社の雰囲気の良さを感じた」ことが入社のきっかけだ。 当時、社内のCAD担当にはすでに女性スタッフがいたことから、不安はそれほど大きくなかった。とはいえ、「CAD操作だけでなく、建築知識もゼロからのスタート。鋼材の名称など、覚えることが多すぎた」が、いつでも快く質問に応じ、励ましてくれた教育担当者のおかげで、大変な時期を乗り切った。今では「ようやく仕事の面白さが分かってきた。今後の目標は建方までの工程や時間を意識して作業を進めていくこと。現場から『助かった』と言ってもらえる仕事をしていきたい」と語る。
19年4月に入社した豊田あゆみさん=写真左=は当初、商業高校卒業後は大学進学を考えていたが、「先に入社した卒業生が学校で自分の仕事内容を紹介するプレゼンがあり、そこで初めて社名を知った。卒業生の話す職場の様子が楽しそうで興味を持ち、応募することにした」という。
就職後の職場環境については「複数人で業務を共有し、有給休暇が取得しやすいことに魅力を感じている。長期にわたって働き続けるには大切なことだと思う」という。「今後は図面をより理解できるよう、建築の基礎知識をもっと学びたい」と抱負を語っている。
